労働生産性を上げるということは、労働生産性の定義から考慮すると従業員一人当たりの付加価値額である。
付加価値額を増やす方法は次の2択になる
・労働時間を長くする
・時間単位当たりの生産額を増やす
当然後者が可能であるなら普通はみんな後者を選択したいと希望するが現実はそうはなっていない。
また、働き方改革の取り組みの中に長時間労働の是正が含まれているため、制度面からも時間単位当たりの生産額を増やさない限り生産性は上がらないことになる。
そして、労働生産性が上がらないと、当然給与は上がらないため相対的に貧しくなり続けていくわけである。
調査によると平均的には 1 人当たり人的資本投資額の 1%の増 加は、0.6%程度労働生産性を増加させる可能性が示唆されるようだ。要するに従業員に教育などの投資に労働生産性につながるということだ。
平成30年度 年次経済財政報告(経済財政政策担当大臣報告)https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je18/pdf/p02022.pdf
ところが、日本のGDPに占める企業の能力開発費の割合は国際比較でも圧倒的に低い。
我が国の GDP に占める企業の能力開発費の割合は、米国・フランス・ドイツ・イタリア・ 英国と比較し、突出して低い水準にあり、経年的にも低下していることから、労働者の人的 資本が十分に蓄積されず、ひいては労働生産性の向上を阻害する要因となる懸念がある。
そうなると、労働者自らが自己研鑽をしていくことを考えなければならないが、以下の調査では、「特に何も行っていない」は52.6%となっている。会社も労働者自身も労働生産性を高めることには無関心ということなのかもしれない。
パーソル総合研究所グローバル就業実態・成長意識調査(2022年)より
政府はリスキリングを前面に押し出しているが、どうやって実現できるかを考えた時、具体的な解決策のひとつがリモートワークにあると筆者は考えている。
今回は人材への投資と自己研鑽の現状に関して認識を促すための内容であるが、リカレントやリスキリングに関しては引き続き個別に記事にしていく予定だ。