インバウンドと生産性向上の因果関係 なぜインバウンドなのか?

リモートワークと生産性向上の因果関係に関しては、感覚的にも理解しやすいのではないかと考えている。

インバウンドと生産性向上の因果関係について説明する。

 

デービッド・アトキンソン著「日本人の勝算_人口減少×高齢化×資本主義」によると

まず、少子高齢化と人口減少に直面している日本では需要に関して以下が指摘されている。

  • 人口減少による総需要の減少
  • 高齢化による消費意欲の減少

 

また、需要が減るため以下のように競争が起こる。

市場が縮小する以上、今あるすべての企業が生き残ることはできません。日本人消費者の数が減って、10社の企業を支えてきた需要が8社しか支えられない規模に縮小する場合、どの会社も生き残る8社になるようがんばります。だからこそ生き残りをかけた企業間の競争が激化することになるのです。

生き残りのための最も安易な競争は、価格をさげて他の企業の体力を奪い、倒産に追い込むことです。最後まで残った企業は競争相手がいなくなるので、大きな利益を得ます。これを「Last man standing利益」といいます。

上記のように続き、デフレ圧力を指摘している。

 

さらに、輸出と生産性の深い関係として

輸出の増加は日本の最大の課題である「生産性向上」にも大きく貢献します。

事実、GDPに対する輸出比率の高い国は、生産性が非常に高い傾向が確認できます。先進国で見ると、輸出比率と生産性との間に0.845というきわめて強い相関係数が確認できます(相関係数とは、関連性の強さを表す統計指標。1からマイナス1までの値をとり、1に近いほど正の関連性が強く、マイナス1に近いほど負の関連性が強い。0に近くなるほど、関連性が弱くなる)。また、企業ベースでも輸出をしている企業のほうが、輸出をしていない企業より生産性が高いことも世界中で確認されています。

 

そして、インバウンドを増やす観光戦略は、国外の人に日本で外貨を使ってもらうという意味で供給過剰への対策としての「輸出の拡大」につながるのである。

したがって、インバウンドと生産性の向上には因果関係があることがわかる。

筆者の活動はリモートワークやワーケーションをインバウンドを増やすための問題への解決の一助や高付加価値の提供の一環として関連付け、生産性の向上につなげることも重要な目的としている。