日米でのパスポート有効保有率の比較をすると
2023年のアメリカ人の有効旅券総数は国務省の調査によると160,668,889冊で、総人口約3億3,500万人に対して約47.9%となっている。
https://travel.state.gov/content/travel/en/about-us/reports-and-statistics.html
また、令和5年度の外務省の調査によると日本人の有効旅券総数は21,750,358 冊で、日本の総人口1億2424万人との比でおよそ17.5%の保有率となる。
日本人の観光の行き場所がなくなる
2024年1月現在で1ドル約150円近くでここ数年円安傾向が続いていることと、世界的な物価上昇、日本人と海外の先進国との平均年収の開きが出ていることから、日本人の海外旅行はさらに難しくなってきている。
一方、インバウンドは政府の後押しもあり、年々増加傾向で2030年には6000万人を目標にしている。
インバウンドは日本の経済成長に寄与するための施策でもあるため、それ自体を縮小させることは良くないと筆者も考える。それでは日本人はオーバーツーリズムが懸念される状況でどうすれば良いのだろうか。
日本人のひとり当たり宿泊日数は2.3日となっている状況で、訪問可能な地域が限定されてしまうことはオーバーツーリズムのテーマでも述べたとおりである。
あらためて、日本人の現状の経済状況を考えた場合、当面はワーケーションをうまく活用して、日本人の観光の訪問先と時期を分散させることが有効なのではないだろうか。
日本人の観光の訪問先を分散させることは、交流人口や関係人口を全国の地域に広めることにつながる効果が期待でき、地域間の格差を縮める効果があると筆者は考えている。
また、当該地域も日本人がまず訪れることによって、徐々に観光客の受け入れ体制も整えることができるため、長期的にはインバウンドを取り込むこともできるようになるのではないだろうか。
その結果、地域の経済発展が期待できるとともに、オーバーツーリズムの解消につながるのではないだろうか。
最後に、ワーケーションは生産性を上げるための仕組みでもある。長期的に日本人の所得を増加させて海外旅行や留学ももっと積極的に実施できるようになることを期待している。