メトカーフの法則

利用者数の増加はネットワーク通信の価値を増大させる

 

生産性は時間の関数でもあり、時間をムダに使ってしまう要因として理解しておく必要があるのがメトカーフの法則である。

Wikipediaによると

メトカーフの法則(メトカーフのほうそく、: Metcalfe’s law)は、通信ネットワークに関する法則で「ネットワーク通信の価値は、接続されているシステムのユーザ数の二乗(n2)に比例する」という。メトカルフェの法則とも呼ばれている。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%95%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87

 

FAXの例で次のように説明される。

1台のFAXでは使いようがなく、各FAX機の価値はネットワーク中のFAXの総数が増えるにしたがって高まる。なぜならば、相手先の総数が増大するからである

これは、利用者の多いコミュニケーションネットワークではその利用者数によって価値が増大するのであるが、一方でコミュニケーションコストが下がることにより、やり取りの回数も急激に増えるのである。

やり取りが増えることで、結果的に多くの時間をムダに費やしてしまうのである。

情報処理にかかる時間も増大する

 

どのコミュニケーションが必要であるか不要であるかが分かれば問題はないのは当然だが、それをうまく仕分けられる方法は限定的である。

例えば、スパムメールを自動振り分けをする機能もその対応策のひとつではあるが、多くのコミュニケーションのやりとりにおいては受信者本人による確認が必要である。

メールやインスタントメッセージなど複数人に送信しても送信にかかるコストは増えないため、他の社員も巻き込まれてしまうことになる。

 

メトカーフの法則により生じる経営リソースとしての時間に関する解決方法は、データの具体的な精査や運用改善によって解決することになる。まずは、原理の理解と認識が重要なのだと筆者は考える。

このテーマではコミュニケーションに関してのムダになる時間の説明をしたが、参加の必要のない会議や会議そのものの進め方なども経営リソースとしての時間の問題として検討が必要な問題である。

余談であるが、コストがかからないため、メールの一斉配信するケースが営業の常套手段として用いられているが、多くの企業が同じことをするため実際に効果が得られているか疑問である。

筆者は本業は広い意味で営業だが、ある程度費用をかけても受け取る相手に対して価値のある情報をできるだけ確実に届ける手段を検討した方が生産性も上がると考える。