レビューをすることでひとの直感の間違いを補正できる
事業を企画したり、営業方針を定めるときによくあることなのだが、実行した後に結果の評価や反省をしないで新しい企画を行うことがよくある。
PDCAの仮説・検証型プロセスにあてはめると、Plan(計画)/Do(実行)ばかりでCheck(測定・評価)/Action(対策・改善)をおろそかにする状態である。
例えば、ITの新サービスを販売する営業組織で考えた場合、サービスの販売目標金額から
- 販売先となる業種や部署などターゲットをどこにするか
- 販売チャネルは直販かパートナーか
- 提案からクロージングまでの販売のリードタイムはどのくらいを基準にするか
- 広告や展示会、セミナーなどプロモーションをどうするか
といった観点からPlan(計画)をしてDo(実行)することになる。
幸運にも目標を達成できればとりあえずはいいのだろうが、達成できなかったときCheck(測定・評価)/Action(対策・改善)をしなかった場合
1. 販売先となる業種や部署などターゲットをどこにするか
具体的なサービスの活用シーンや提供できる価値の仮説が弱いためにターゲットを絞らない、絞れないのでとりあえず予算が多そうな大企業にしたりローラーであらゆる企業にアップローチをしてしまう。
2. 販売チャネルは直販かパートナーか
販売窓口やチャネルは多い方がいいに決まっているという思い込みから、とりあえず販売パートナーを増やそうとする。
3. 提案からクロージングまでの販売のリードタイムはどのくらいを基準にするか
サービス単価およびサービスの性質、ターゲットの企業規模によって大きく変わるリードタイムをがむしゃらに早期刈り取りをしてしまう。
4. 広告や展示会、セミナーなどプロモーションをどうするか
これも、直感的にはリードが多く獲得できればいいという考えから、やたらとWebセミナーを打ったり広告を掲載する傾向にある。
重要なのはPlan(計画)/Do(実行)が想定している成果に結びついているかというCheck(測定・評価)と、うまくいっていないのであれば何が問題かを考えてAction(対策・改善)を行うことである。
通常Plan(計画)の仮説は、こうすれば売れるであろう直感を元に組み立てられるものなので、Check(測定・評価)/Action(対策・改善)といったレビューをすることで、客観的な指標によって直感の間違いを補正することができる。
仮に、レビューを行わなかった場合、直感による認識のまま同じやり方を何度も繰り返してしまうことになる。
直感の間違いは補正しないと何度も繰り返す
やっかいなのは、例えば、販売チャネルが多い方がいいといった直感的には正しそうな施策は、実際に行って結果が出ていないことを客観的に証明しない限りずっと繰り返してしまうということだ。
レビューをすることは、同じ失敗を何度も繰り返さないために、組織にナレッジを蓄積することであり、生産性にも重要な影響を与える。
再現性の高さを考えると、成功した時よりも、失敗をした時のレビューは重要と筆者は考える。