ノードという概念

ノードは組織の複雑化の根本原因

ノードとは何か?

エリック・ガートン/マイケル・マンキンス著「TIME TALENT ENERGY」では以下のように説明されている。

企業が大きくなれば、製品ラインや事業部が増えることは避けられない。新たな販路や地域、顧客セグメントに手を広げるようになる。買収や合併もある。こうした1つひとつの動きが組織の新たな要素を生み出し、新たな要素が追加されれば、他の要素との交わりや相互作用が生じる。この要素と要素が交差する部分をノード(結節点、結び目)と呼ぶが、ほとんどの企業ではこのノードこそが複雑化の根本原因なのだ。

 

ノードが複雑化させる具体的なイメージ例を同著で以下のように説明している

2つの製品ラインと5つの機能部門しか持たない単純な企業をイメージするとわかりやすい。経営陣が製品と機能部門全般に関わるような意思決定を下すたびに、部門間でのやり取りが 11回発生する。既存の2つの製品担当部門それぞれが5つの機能部門とやり取りするので、これで 10回。さらに製品担当部門間とやり取りするので、合わせて 11回という計算だ。  さて、この会社が顧客の声にもっと耳を傾けたいと考えて、 2種類の顧客対応部門を新設したとしよう。追加した組織自体はわずか2つだから、これによってやり取りの数は合計 11回が 13回になるだけと思ったら大間違いだ。  なんと 15回増えて、合計 11回から 26回に跳ね上がるのである。ノード数は幾何級数的に増えるから、組織の複雑化は倍々ゲームではすまないのである。

 

ノードが組織の複雑化を招くことを意識することが組織の生産性を上げることのヒントにもなるのではないだろうか。

 

組織の意思決定のスピードはノードが影響する

 

ノードが組織において具体的にどういったプロセスで影響を及ぼすか、具体的時見ていくと

情報の伝達と処理:

ノードの数が増えると、情報の伝達と処理がより複雑になる。情報が上から下へ、または下から上へ伝達されるため、情報の遅延や歪みが生じる可能性がある。これにより、意思決定プロセスのスピードが低下する場合があります。

合意形成の遅延:

ノードの数が増えると、合意形成が困難になる場合がある。異なる意見や視点が多数存在する場合、意思決定を達成するために時間がかかる場合がある。このため、多数のノードが関与する場合、意思決定のスピードが低下する可能性がある。

意思決定の層の追加:

 

 

ノードマップが有効

ノードの数が増えると、組織内の意思決定プロセスに新たな層が追加される場合がある。これにより、意思決定が複雑化し、実行に時間がかかる可能性がある。

また、メトカーフの法則でも説明したように、ノードが増えることで情報のやり取りそのものの量が増大することになる。

社内の複雑化の広がりを調べるには、組織の重要な意思決定の「ノード・マップ」を作成が有効となるだろう。

おそらく今後ノードマップが自動的に作れるツールなどもリリースされるのではないだろうか。

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