DXに関連する主なリスク
DXを推進する際に、考慮しなければならないことは、例えばDXによって具体的に何を実現しようとしているのか、どんな効果が期待できるのかなどたくさんある。
特にDXには発展途上の技術や不確定な要素が多く含まれるために、それにともなうリスクが発生すると想定される。どんなリスクが発生するかわからないからと言って、DX推進にストッパーをかけてしまうと競争に取り残されてしまうだろう。
事前にどのようなリスクが想定されるかを把握して可能な限りリスク管理をすることが最適解であると筆者は考える。
1.技術的リスク
新しいテクノロジーやシステムの導入に伴うリスクがある。システムの互換性、セキュリティ、パフォーマンス、および可用性に関する問題が発生する可能性。また、技術が時代遅れになることで、投資が無駄になるリスクもありうる。
2.組織的リスク
DXはしばしば組織全体の文化やプロセスに変革をもたらす。従来の文化やプロセスへの抵抗、リーダーシップの不足、従業員の不適応などがリスクとなる。また、組織全体でのコミュニケーションの不足や誤解もリスクとして考えられる。
3.セキュリティリスク
DXはデータの活用やネットワークの拡張などを伴うが、これによってセキュリティリスクも増加する。新たなセキュリティホールや脆弱性が生じ、機密情報が漏洩する可能性がある。
4.法的および規制上のリスク
DXにおいては、データの取り扱いやプライバシー保護に関する法的および規制上の要件を遵守する必要がある。これらの要件を満たさない場合、法的な罰則や信頼性の低下が生じる可能性が起こりうる。
5.投資リスク
DXプロジェクトは多額の投資を必要とする。予算の過剰消費やROI(投資利益率)の低下に関連するリスクがあり、テクノロジーの急速な変化により、投資したシステムやソリューションが早期に陳腐化する可能性も起こりうる。
リスクに対して何をすべきか
DX推進に関するリスクに対して何をすれば良いだろうか。
まずは、どういったリスクが想定されるか、リスク全体のグランドデザインをすることが重要となる。
DXには行動変容やプロセスの変化、社会変革などが目的を達成する段階において、必然的についてまわる。また、不確実なニーズや想定している技術が適用可能であるかが予測困難な状況下で推進していく必要がある。
それにはアジャイル型の運用をすることが求められる。アジャイル型の運用の中で、新たなリスクが発生することも考えられるため、できるだけ早く新たなリスクを発見できるリスク管理の仕組みが求められる。
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- 想定されるリスクの把握(グランドデザイン)
- アジャイル型に対応した運用のリスクの可視化
- アジャイル型で発生する新たなリスクの可視化
これらを踏まえることによってDXおけるリスクの多くをカバーし管理することが可能となるだろう。
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