リスキリングとリカレント

リスキリングという言葉は良く耳にする機会が増えている。2023年時点において岸田首相が育児休暇中のリスキリングに関しての発言で物議を呼んだことでも記憶にあるのではないだろうか。

リスキリングはダボス会議にて2018から使われ始めた比較的新しい概念のようで、Towards a Reskilling Revolutionというレポートを掲載しているので、おそらくこれが初出なのだろう。

https://www3.weforum.org/docs/WEF_FOW_Reskilling_Revolution.pdf

リスキリングの定義に関しては、複数のWEBや書籍の記事で経済産業省の定義として以下を引用している(※実際にはリクルートワークス研究所のレポートなので経済産業省が定義しているとは言えない可能性はある)。

 

新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必 要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、 必要なスキルを獲得する/させること

 

また、広島県の定義は以下のようにより詳しく説明されている。

「外部環境の変化(DX等)による新たな業務需要の拡大と減少に対応して、企業等の経営戦略や人材戦略のもと、企業の主導によって、従業員が今後の新たな業務などで必要となる知識やスキルを習得し、活用(業務を創造・高度化)すること」

https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/72/reskilling-gaiyou.htm

そして、リスキリングのメリットを4つ挙げている

  • 業務の効率化
  • 新たなアイデアの創出
  • 企業文化の継承
  • 採用コストの削減

あくまでも、リスキリングは従業員が在職した状態で企業が主体で行うことである。

 

一方、リカレントというリスキリングと比較して以前より存在する概念がある。

政府広報オンラインの定義は次のようになっている。

「リカレント教育」という言葉を聞いたことがありますか?「リカレント(recurrent)」とは、「繰り返す」「循環する」という意味で、リカレント教育とは、学校教育からいったん離れて社会に出た後も、それぞれの人の必要なタイミングで再び教育を受け、仕事と教育を繰り返すことです。日本では、仕事を休まず学び直すスタイルもリカレント教育に含まれ、社会人になってから自分の仕事に関する専門的な知識やスキルを学ぶため、「社会人の学び直し」とも呼ばれます。

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202108/1.html#firstSection

 

リスキリングは企業が主体であり、そのため企業の利益になることが優先される比較的具体的なスキルの習得が要求されることになる。また、企業が主体となると経営体力の強い大企業中心に行われることが予想される。

いずれにせよ、継続的なスキルの習得ができる環境にある方がより生産性の向上にも有利であると考えられるため、生産性においても格差が広がるだろう。

中堅以下の企業はリモートワークやワーケーションの活用でリスキリングやリカレント推進が可能になるだろう。

こういった試みもテクノロジーを活用した行動変容による優位性の獲得、いわゆるDXと呼ぶことができる。

リスキリングやリカレントに関してもさらテーマを設けて掘り下げて行くことを予定している。

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